Classici giapponesi con furigana
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ぼしじょじょう
母子叙情
岡本 かの子
Leggi 母子叙情 (ぼしじょじょう) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 77.355 caratteri · 153 schermate
「ふんそんなことか。けど僕やめにしますよ。なにしろ、おかあさんという人はスローモーションで、どうにも振り廻しにくいですからねえ」
むす子は唇をちょっと噛んで、面白そうに、かの女を額越しにちょっと見た。
「ついでにおかあさんに云っときますがね、いくら僕が寂しかろうといって、むやみに、お嫁さんの候補者なんか送りつけたりするのはご免蒙りますよ。やり兼ねないからね。いくらお母さんの世話でも、全くこれだけは断りますよ」それからはじめて手を出して卓の上へ組み合せて、
「僕、おかあさんに対する感情の負担だけでも当分一人前はたっぷりあるんだからなあ」むす子は言葉尻を独り言のようにいってのけた。
むす子が面と向ってこういう真実の述懐を吐くとき、かの女には却ってむす子から、形の上の子供子供した点だけが強く印象づけられた。
「そんなに、おかあさんの方ばかり気にしないで、ご自分が幸福になるよう、しっかりなさいよ。ほんとうですよ」
こういって、はじめてかの女は母親の位を取り戻した。
ギャルソンがスープを運んで来た。星がうるんで見える初夏の夕空のような淡い浅黄色の汁の上へギャルソンはパラパラと焦したパン片を匙で撒いて行った。