Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぼしじょじょう

母子叙情

岡本 かの子

Leggi 母子叙情 (ぼしじょじょう) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 77.355 caratteri · 153 schermate

Aozora Bunko

むす子が、だいぶ経験も積んで、巴里郊外の高等学校の予備校の寄宿舎に、たった一人日本人として寄宿した経験談も出た。むす子はそこでフランスの学生と同等に地理や歴史を学んだ。

「画描きだって、こっちに長くいるなら、それそうとう常識的な基礎知識は必要ですからねえ」

いくらか、かの女の性質の飛躍し勝ちなロマン性に薬を利かしたという気味も含めて、むす子は落着いて語った。

「あんたには、そういう順序を立てた考え深いところもあるのね。そういうところは、あたし敵わないと思うわ」

かの女は言葉通り尊敬の意を態度にも現わし、居住いを直すようにしていった。しかし、こういう母親を見るのはむす子には可哀そうな気がした。それで、その気分を押し散らすようにしてむす子はいった。

「なに、僕だって、おかあさんと同じ性分なんです。そしておかあさんだってずいぶん考え深い方でなくはありませんさ。けれどもおかあさんは女ですから、それを感情の範囲内だけで働かして行けばすみますが、僕は男ですからそうは行きません。そうとう意志を強くして、具体的の事実の上にしっかり手綱を引き締めて行かなければ、そこが違うんでしょうねえ」