Classici giapponesi con furigana
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はは
母
宮本 百合子
Leggi 母 (はは) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8021 caratteri · 16 schermate
を父に語ろうとする切ないような気の張りを持ちつづけていたのであった。
母がいなくなってから今日で一ヵ月と六日たった。母がいなくなった家の内にはきょうまでに、一つ二つの変更が行われた。それらの変更は、どれも母がやっていたよりは合理的な生活の方法への動きであり、新しい条件にふさわしい生活をつくり出して行こうとする父の気魄がこもっている仕事なのである。けれども、日が経つにつれ、私はこのごろ二階の床の間に飾ってある母の写真を平気でみることが出来ない心持になって来ている。何かの用で、その前を通りかかると、立ちどまって凝っと正面からその母の写真を眺めるか、さもなければ、何となしそっちは見ないようにして歩き、しかも目の端ではまざまざとその面影を意識しているという風になって来た。
母という一人の女性の生涯は、娘である私のほかの人たちの心にどんな印象を与えていたのだろうか。私はそれをひどく知りたいと思う。
この気持は母の通夜をする時からあった。何か耳新しい一つ話か思い出話が出るかと思って、心臓に氷嚢をあてながらも寝ないで柱にもたれ、明け方までいろいろな人に混っていたのであったが、誰もそんな話を切り出すひとは誰もなかった。