Classici giapponesi con furigana
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みずがめ
水甕
豊島 与志雄
Leggi 水甕 (みずがめ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.082 caratteri · 26 schermate
隙が見えると、二三匹が同時に忍び寄ってゆき、中の一匹がぱっと牝に飛びかかりました。そして暫くもみ合ってるうち、牝は急に怒って牡に噛みつきました。牡は少しく退去しました。すると牝は、また尾を振り頭をさげて、媚態の声を立てました。牡は三方からじりじりと忍び寄ってゆきました。
それらの牡猫のなかに、クマの姿は見えないようでした。それでも仁木は諦めず、四つ目垣を乗り越してゆきました。すると、庭の隅の大きな水甕が眼につきました。全く誂え向きに水甕はそこにありました。仁木は手頃な石を拾ってきて、伏さってる水甕を少しく傾け、石を下にあてがって、猫を入れられるほどの口をあけておきました。
猫の群れはまだ庭のあちらで騒いでいました。仁木はそちらへ行き、こんどは四つ匐いになって近づきました。だが、いくら探してもクマはいませんでした。仁木は怒って、牝猫を捕えようとしました。そしても少しのところで、牝猫はするりと逃げのび、それから遠くへ行ってしまいました。その間中一度もクマの名を呼ばなかったことを、彼は思い出し、なぜか後悔しました。
彼は裏から家の中にはいりました。湯殿の戸は締りがしてなくて開きました。