Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひょうが

氷河

黒島 伝治

Leggi 氷河 (ひょうが) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.824 caratteri · 42 schermate

Aozora Bunko

「お前のもんじゃないよ。」

顔の細長いメリケン兵が横から英語で口を出した。も一人の方は、大きな手で束から二三枚を抜いてロシア人にやっていた。その手つきが、また見せつけんばかりに勿体振っていた。

「それゃ、偽札じゃないか!」

彼は、剣吊りに軍刀をつろうとして、それを手に持っていた。

「でも、この通り、ちゃんと通用するんだよ。」メリケン兵は、また札を二三枚抜いてパチパチ指ではじいて見せた。

彼は背に火がついたような焦燥を感じた。そして、心で日本刀の味を知れ! と呟いた。

――入院患者をつれてきた上等兵の話はそういうことだった。

ついすると、ロシアの娘は、中尉がさきに手をつけていた、その女だったかも知れなかった。

「ほう、そいつは、俺も加勢するんだった。いつかは、そんなことになると思うとったんだ。」橇の上からピストルを放したメリケン兵のロシア語は、まだ栗本の耳にまざまざと残っていた。「眼のこ玉から火が出る程やっつけてやるといいんだ!」

けれども青い別室の将校は、

「おれは中尉だ。兵卒とは違うんだ! 将校だ! それがどうして露助に分らんのだろう! どうして分らんのだろう!」