Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

こおりぐらのにかい

氷蔵の二階

宮本 百合子

Leggi 氷蔵の二階 (こおりぐらのにかい) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.201 caratteri · 37 schermate

Aozora Bunko

志野は琴をひかえて、室の真中に坐っている。

「あの――お房さん、さっき話した――この人、大垣さんての。もと局にやっぱり勤めてたんだけど、今会社なの」

「やあどうぞよろしく」

大垣は、重ねていた脚だけ下し、窓枠にかけたまま挨拶した。

「お噂はかねがねきいてました」

志野は、房に訊いた。

「どうだった須田さん面白かって? 丁度あなたとすれ違いよ、大垣さん来たの。ね、そうね」

「ああ。――丁度お出かけだってんでがっかりしていたところです。――どうです近頃は――面白い活動でも御覧でしたか」

志野が引受けて答えた。

「ちっとも行きゃしないわ」

「――じゃあいつか行きましょうか、みんなで。――今週何があるかしら――バレンチノ――荒鷲なんての素敵だったな」

志野が、自分の宝を自慢するように吹聴した。

「純吉さんたら、まるで活動通なのよ、外国俳優の名なんぞすっかり暗記してる位だわ。ね、そうでしょ」

大垣は少し得意そうに、

「いやあ」

と笑った。

「そんなじゃあないさ」

やがて、志野が訊いた。

「ね、お房さん、大垣さん、いくつに見える?」

「さあ――大人ぶっていらっしゃるわね、でもそんなにお志野さんと違わないんでしょう」