Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

Leggi 江戸情話集 (かごつるべ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 203.779 caratteri · 407 schermate

Aozora Bunko

そんなことを夢にも知らない彼は、自分から網の中にはいって来た。自分が昔住んでいた長町辺を尋ね歩いて、それとなく女房や子供の身の上を聞き合わせると、女房はとうに死んでいた。伜は大工の丁稚になって大宝寺町にいることが知れた。彼も今更のように昔を悔んだがもう取り返しの付くことではない、せめては伜だけを連れ帰って父子いっしょに暮らそうと、大宝寺町の近所をさまよっているうちに、彼は遂に待ち網にかかってしまった。

「十年振りで我が子の顔を見ましたれば、思い置くこともござりませぬ。しかし又なまじいにめぐりあった為に、なんにも知らぬ我が子に連坐の咎めが掛かろうかと思うと、それが悲しゅうござります」と、九郎右衛門は白洲で涙を流した。

奉行にも涙があった。六三郎はふだんから正直の聞えのある者、殊に父子とはいいながら十年も音信不通で、父の罪咎に就いてなんの係り合いもないことは判り切っている。また一方には親方の庄蔵から町名主にその事情を訴えて、六三郎の赦免をしきりに嘆願したので、結局六三郎はお構いなしということで免された。

「飛んだ災難であったが、まあ仕方がない。悪い親を持ったが因果と諦めろ」