Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

Leggi 江戸情話集 (かごつるべ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 203.779 caratteri · 407 schermate

Aozora Bunko

ほほ、馬鹿らしい」と、浮橋もあざけるように笑った。

この廓へ足踏みをしてから、彼は幾たびかこの「馬鹿らしい」を浴びせられているので、治六は別に恥かしくも腹立たしくも感じなかったが、今の二人の顔色や口ぶりによると、身請けなどという相談はとても今の懐ろでは出来ないものと諦めるよりほかはなかった。

そうすると、主人は相変らず現在の放蕩を続けてゆく。金はみすみす減ってゆく。それから先きはどうなるだろうと思うと、彼は実に気が気でなかった。こうして暖かい蒲団の上に坐っていても、彼の胸には冬の夜の寒さが沁み渡るようにも思われた。しかもその「馬鹿らしい」ことを言った祟りで、彼は浮橋にさんざん振り付けられた。

けさも流連かとひやひやしていると、次郎左衛門は思い切りよく朝の霜を踏んで帰った。途中はなんにも言わなかったが、馬喰町へ帰ると彼は怖い顔をして治六に宣告した。

「貴様には暇をくれる。どこへでも勝手に行け」

ゆうべの祟りの余りに劇しいのに治六も驚かされた。なぜ暇をくれると言うのか、それに就いて次郎左衛門はなんにも説明を与えなかったが、かの身請けの一条を八橋が訴えたものに相違ない。