Classici giapponesi con furigana
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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
Leggi 沙漠の古都 (さばくのこと) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.076 caratteri · 220 schermate
火光は益※(二の字点、1-2-22)拡がった。部落を悉く焼きつくしてどうやら林へ移ったらしい。
南洋原始林の大山火事!
鹿や兎や馴鹿は自慢の速足を利用して林から林へ逃げて行く。小鳥の群は大群を作って空の大海を帆走って行く。斑馬の大部隊は鬣を揮って沼の方角へ駈けて行く。
火足は次第に近付いて来る。煙りは小屋を引き包んだ。
私は拳銃をひっ掴み、土人乙女が置いて行った弓矢をダンチョンに手渡すや否や二人は小屋から飛び下りて、走る獣の中に混って風下の方へ逃げ出した。
三十三
恐怖に充ちた人間の叫びが背後の方から聞こえて来た。振り返る間もなく、私達の横を飛鳥のように駈け抜けて行くのはダイヤル部落の土人達で武器さえ手には持っていない。もちろん私達を認めても襲って来ようともしなかった。火足から遁がれよう遁がれようとそればかり焦せっているようだ。
火足は間近に迫って来た。ちょうど紅でも流したように深林の中は真紅である。熱に蒸されて私の背中は滝のように汗が流れている。この大危険の最中にも私はこんなことを考えた。
「土人と一緒に逃げてはならん。土人の行く方へ行ってはならん。