Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かわみずのはなし

河水の話

小川 未明

Leggi 河水の話 (かわみずのはなし) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3668 caratteri · 8 schermate

Aozora Bunko

河水は、行方も知らずに流れてゆきました。前にも、また、後ろにも、自分たちの仲間は、ひっきりなしにつづいているのでした。そして、どこへゆくという、あてもなしに、ただ、流れている方に、みんなはゆくばかりでした。

前にいったものは、笑ったり、わめいたり、喜ばしそうに踊ったりしていました。はやく、まだ見ない、めずらしいことのたくさんある世界へゆきたいと、あせっているようにも思われたのです。

ほんとうに、それは、遠い、また、長い旅でありました。すべてのことに終わりがあるように、この旅も、いつかは尽きるときがあるでありましょう。

河水は、昼となく、夜となく、流れてゆくのでした。

ある日のことです。ふいに、黄色な、破れた袋のようなものが、飛び込んできました。それはバナナの皮でした。

「ああびっくりした。やっと、私は、目がさめたような気がする。」と、バナナの皮は、いいました。

南洋の林の中に、あったころのさわやかな香いが、まだ残っていて、このとき、ふたたび冷ややかな水の上で、したのでした。

「おまえさんは、いままで眠っていたのかね。」と、水は、たずねました。

「ここは、どこですか?」