Classici giapponesi con furigana
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じろきちこうし
治郎吉格子 名作短編集(一)
吉川 英治
Leggi 治郎吉格子 名作短編集(一) (じろきちこうし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 178.609 caratteri · 362 schermate
五
それに較べると、三五兵衛の方は、決してそうでなかった。
きょうまでの旅の間に、三五兵衛も多くの女を知って来ているが、彼の選んだ女には、皆ひとつの型があった。火のように、いつまで燃えつづく情炎と、それに耐えうる豊満で厚艶な肉体の所持者でなければ、興味をうごかすに足りなかった。
つまり、彼とはまったく反対な性格と、反対な色感をもった女でなければいけないのだった。
五
鮎川の部屋は、さすがに大きな世帯だった。
離室ではないが、縁つづきの、母屋からずっと奥まった座敷へ、三五兵衛は通された。
「賛之丞のやつ、さだめし仰天して、今頃はまたあたふたと、何処かへ逃げ出す支度でもしているだろう」
湯浴みを終えて、すすめる酒を程よくすまし、膳を下げて貰った後、三五兵衛は炬燵に手を入れて、
「驚いたろう村上賛之丞。何しろ、一つ家の軒下に、おれという者が来たのだからな……」と、例の快味に浸っていた。
ふと炬燵の横を見ると、先刻、お慰みにと誰か置いて行った、六、七冊の草双紙が重ねてある。
炬燵蒲団へ横顔を当てながら何気なく、上の一冊をめくってみると、城外の濠端で覆面の男が老武士を暗殺している絵があって、次の絵には、人品のいい乞食が躄車に曳かれている、そして、最後の処には、眉目秀麗な若者と、悪相の武士との鎬を削るところを描いて、悪相の