Classici giapponesi con furigana
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ほっけそうのかいい
法華僧の怪異
田中 貢太郎
Leggi 法華僧の怪異 (ほっけそうのかいい) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3323 caratteri · 7 schermate
それを聞くと二人は喜んで帰って往ったが、翌日になって女が移って来たので、住持が最初鋏を入れ後は名音の手で剃髪した。其の女は玉音という法名が与えられた。名音は何彼と新入の玉音のために世話をしてやった。玉音は顔だちも美しく素直な女だったので、住持にも気に入られた。名音は此の調子でゆけば、世話の為甲斐があると思って喜んだ。こうして数日すぎたところで、夜半比になって玉音が急に苦しみはじめた。一所に寝ていた名音は驚いて躍び起きた。玉音は両手で虚空を掴み歯を喰いしばって全身を痙攣させた。そして時どき苦しそうな声を出して呻いた。隣室に寝ていた住持も其の声を聞きつけて起きて来た。二人の介抱で玉音の苦しみはすぐ治まった。
「どうなされた、お肚でも痛まれたか」
住持の詞に玉音は蒼褪めた顔をちょっと赧らめた。
「お肚ではございませんが、これが私の持病でございまして、私はこれがあるばかりに、御仏にお縋りする気になったのでございます」
「御仏も御仏じゃが、医者にかかられては」
「医者にもかかりましたが、此の病気ばかりは、医者の力では駄目でございます」
「ほう、では、お医者様にも病名はわからぬのじゃな」