Classici giapponesi con furigana
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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
Leggi 浮かぶ飛行島 (うかぶひこうとう) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 124.009 caratteri · 249 schermate
そこへつけこんで、相手の巨漢は、むずと組みついてきた。
川上機関大尉は、舷に押しつけられてしまった。大した力の相手だった。川上は懸命に、相手の胸許にこっちの頭をつけて、押し潰されまいと耐えているが、相手は勝ち誇ったように、いよいよぐんぐん押しつける。
川上機関大尉の武運は、眼に見えて悪くなった。そうでなくとも、ここ連日の苦闘と空腹とに、かなり疲れている川上機関大尉だった。はりきった牡牛のような英国下士官とは、とてもまともな力くらべはできまいと思われた。
そのとき、向こうの方で、あわただしく集合喇叭が鳴った。さっきの呼笛を聞きつけて、警備班が出動をはじめたらしい。早くも奥の通路から、入りみだれた靴音が聞えてきた。こうなっては、わが川上機関大尉がいかに勇猛であるといっても、敵勢を押しかえすことは、まず困難ではないかと思われた。
壮図はついに空しく、わが大勇士川上機関大尉は飛行島の下甲板に散るのであろうか。
もしそんなことがあれば、いま組立鉄骨の間に病体をしばりつけて、ひたすら彼のかえりを待ちわびているはずの杉田二等水兵は、どうなるであろうか。
このときわが勇士の様子をみるなれば、彼は、猛牛のごとき敵の下士官とがっちり組みあったまま、一、二、三、四としずかに呼吸をかぞえていた。