Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

Leggi 浮雲 (うきぐも) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.980 caratteri · 222 schermate

Aozora Bunko

まだ中年の癖に、この男はあだかも老人の如くに過去の追想而已で生活している。人に逢えば必ず先ず留学していた頃の手柄噺を咄し出す。尤もこれを封じてはさらに談話の出来ない男で。

知己の者はこの男の事を種々に評判する。或は「懶惰だ」ト云い、或は「鉄面皮だ」ト云い、或は「自惚だ」ト云い、或は「法螺吹きだ」と云う。この最後の説だけには新知故交統括めて総起立、薬種屋の丁稚が熱に浮かされたように「そうだ」トいう。

「シカシ、毒が無くッて宜」と誰だか評した者が有ッたが、これは極めて確評で、恐らくは毒が無いから懶惰で鉄面皮で自惚で法螺を吹くので、ト云ッたら或は「イヤ懶惰で鉄面皮で自惚で法螺を吹くから、それで毒が無いように見えるのだ」ト云う説も出ようが、ともかくも文三はそう信じているので。

尋ねて見ると幸い在宿、乃ち面会して委細を咄して依頼すると、「よろしい承知した」ト手軽な挨拶。文三は肚の裏で、「毒がないから安請合をするが、その代り身を入れて周旋はしてくれまい」と思ッて私に嘆息した。

「これが英国だと君一人位どうでもなるんだが、日本だからいかん。我輩こう見えても英国にいた頃は随分知己が有ったものだ。