Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

Leggi 浮雲 (うきぐも) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.980 caratteri · 222 schermate

Aozora Bunko

文三果は泣出したくなッた。

心苦しいその日も暮れてやや雨はあがる。昇が遊びに来たか、門口で華やかな声。お鍋のけたたましく笑う声が聞える。お勢はその時奥坐舗に居たが、それを聞くと、狼狽えて起上ろうとしたが間に合わず、――気軽に入ッて来る昇に視られて、さも余義なさそうに又坐ッた。

何も知らぬから、昇、例の如く、好もしそうな眼付をしてお勢の顔を視て、挨拶よりまず戯言をいう、お勢は莞爾ともせず、真面目な挨拶をする、――かれこれ齟齬う。から、昇も怪訝な顔色をして何か云おうとしたが、突然お政が、三日も物を云わずにいたように、たてつけて饒舌り懸けたので、つい紛らされてその方を向く。その間にお勢はこッそり起上ッて坐舗を滑り出ようとして……見附けられた。

「何処へ、勢ちゃん?」

けれども、聞えませんから返答を致しませんと云わぬばかりで、お勢は坐舗を出てしまッた。

部屋は真の闇。手探りで摺附木だけは探り当てたが、洋燈が見附らない。大方お鍋が忘れてまだ持ッて来ないので有ろう。「鍋や」と呼んで少し待ッてみて又「鍋や……」、返答をしない。「鍋、鍋、鍋」たてつけて呼んでも返答をしない。