Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

Leggi 浮雲 (うきぐも) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.980 caratteri · 222 schermate

Aozora Bunko

「ほんとに困ッちまいますよ」

困ッている所へ勝手口で、「梅本でござい」。梅本というは近処の料理屋。「おや家では……」とお政は怪しむ、その顔も忽ち莞爾々々となッた、昇の吩咐とわかッて。

「それだからこの息子は可愛いよ」。片腹痛い言まで云ッてやがて下女が持込む岡持の蓋を取ッて見るよりまた意地の汚い言をいう。それを、今夜に限て、平気で聞いているお勢どのの心持が解らない、と怪しんでいる間も有ればこそ、それッと炭を継ぐ、吹く、起こす、燗をつけるやら、鍋を懸けるやら、瞬く間に酒となッた。

あいのおさえのという蒼蠅い事の無代り、洒落、担ぎ合い、大口、高笑、都々逸の素じぶくり、替歌の伝受等、いろいろの事が有ッたが、蒼蠅いからそれは略す。

刺身は調味のみになッて噎で応答をするころになッて、お政は、例の所へでも往きたくなッたか、ふと起ッて坐舗を出た。

と両人差向いになッた。顔を視合わせるとも無く視合わして、お勢はくすくすと吹出したが、急に真面目になッてちんと澄ます。

「これアおかしい。何がくすくすだろう?」

「何でも無いの」

「のぼる源氏のお顔を拝んで嬉しいか?」

「呆れてしまわア、ひょッとこ面の癖に」