Classici giapponesi con furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Leggi 浮雲 (うきぐも) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.980 caratteri · 222 schermate
然るに彼奴のように、苟も課長たる者に向ってあんな差図がましい事を……」
「イヤあれは指図じゃアない、注意サ」
「フム乙う山口を弁護するネ、やっぱり同病相憐れむのか、アハアハアハ」
高い男は中背の男の顔を尻眼にかけて口を鉗んでしまッたので談話がすこし中絶れる。錦町へ曲り込んで二ツ目の横町の角まで参った時、中背の男は不図立止って、
「ダガ君の免を喰たのは、弔すべくまた賀すべしだぜ」
「何故」
「何故と言って、君、これからは朝から晩まで情婦の側にへばり付いている事が出来らアネ。アハアハアハ」
「フフフン、馬鹿を言給うな」
ト高い男は顔に似気なく微笑を含み、さて失敬の挨拶も手軽るく、別れて独り小川町の方へ参る。顔の微笑が一かわ一かわ消え往くにつれ、足取も次第々々に緩かになって、終には虫の這う様になり、悄然と頭をうな垂れて二三町程も参ッた頃、不図立止りて四辺を回顧し、駭然として二足三足立戻ッて、トある横町へ曲り込んで、角から三軒目の格子戸作りの二階家へ這入る。一所に這入ッて見よう。
高い男は玄関を通り抜けて縁側へ立出ると、傍の坐舗の障子がスラリ開いて、年頃十八九の婦人の首、チョンボリとした摘ッ鼻と、日の丸の紋を染抜いたムックリとした頬とで、その持主の身分が知れるという奴が、ヌット出る。