Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Leggi 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) di 葉山 嘉樹 (はやまよしき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 161.305 caratteri · 321 schermate
「桟橋は高いようだが、マストよりは低いんだなあ」波田は西沢にいった。
「そらそうだ、だがどうだい、寒いこたあ、手に感じなんぞありゃしないぜ」
二人は、ペンブラッシュを子供が箸をつかむようにしてつかんで塗っていた。風のために彼らをつるしているロープは揺れた。彼らは機械体操をする人形のように、足をピンピンさせながらマストから、離れず、即かずのところで仕事をしなければならなかった。どうかすると二人の労働者は、マストの一つの側で打つかるのであった。
「オイオイ、こっちはおれの領分だぜ!」
「冗談言っちゃいけない」
そこで二人は横をながめる。桟橋が左の方にあれば、西沢が正しいのだ。西沢は船首から船尾を向いて、船首部分を塗るのだった。
彼らをつるしたロープまで、堅く凍ったように感ぜられた。彼らはもちろん「棒だら」のように凍って堅くならないのが不思議であった。
「こんな団扇みたいなボロ船を化粧してどうするってんだろう。え、船長も物好きじゃねえかなあ、いくらお正月だって室蘭でマストのペンキ塗りなんざ、万寿丸の船長でなきゃ考え出せねえ名案だぜ」西沢がガタガタ震えながらそれでも、早く降りたいばかりに、盲目が杖を振り回しでもするようにむやみに塗り立てた。