Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Leggi 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) di 葉山 嘉樹 (はやまよしき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 161.305 caratteri · 321 schermate

Aozora Bunko

と残る者は二人にいいながら、タラップまで見送った。

二人の船頭さんは、船長の私用のために、船長の二倍だけの冒険をしなければならなかった。

船長はボーイに導かれてタラップ口へ出て来た。

彼が何かを入れたり、出して見たりしていたトランクを、ボーイはさながら貴重品ででもあるかのように、もったいらしく持っていた。

船長は、やきもちをやきながら、ローマの凱旋将軍シーザーのごとくにサンパンに乗り移った。

船長以外のすべての者は、鉛のように重い鈍い心に押えつけられた。伝馬の纜は解かれた。とすぐに、それは、流された。まっ暗な闇の中に、小さなカンテラが一つボンヤリ見えた。そのそばから、小倉と三上との声で、エンヤヨイヤ、エンヤヨイヤ、と聞こえて来るのだった。

水夫たちは、おもてへ帰った。そして船長を送り届けてサンパンの帰るまでは、眠ってもよいのであった。けれども、だれも黙って、ベンチへ並んで腰をおろして、狐につままれでもしたようにボンヤリしていた。

過度労働のために、水夫たちは、無抵抗的に催眠されていた。そしてそこには死のような倦怠以外に何もなかった。一切の望みを失った無期囚徒のように、習慣的であり、機械的であった。