Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うんのじゅうざはいせんにっき

海野十三敗戦日記

海野 十三

Leggi 海野十三敗戦日記 (うんのじゅうざはいせんにっき) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 83.094 caratteri · 167 schermate

Aozora Bunko

徹ちゃんどうしたか、未だに便りなし。気に懸ってはいるが、家人には一言も言わずにいる。朝子も今家に居ることだし。

◯午前四時半「横鎮(よこちん)(※横須賀鎮守府。鎮守府は、海軍の根拠地に置かれた機関)情報」というのが珍しく出て「敵機動部隊が本土に近接しあり云々」と放送する。

◯果して午前七時半より警報発令となる。きょうは曇天。しかもだんだん暗くなって、雪となる。先日の雪がまだ消えないのに、また新雪積もる。その間に警報飛ぶ。敵艦載機はたいがい茨城千葉の方にいて、京浜地区まで来るのは少ないが、午後一時半B29の大挙来襲の徴ありと警告が出た。やがて間もなく来襲す。雪中を皆も防空壕に入る。盲爆故、時間の過ぎるのを待つ外なし。

◯編隊は十四を数えた。大体いつもの経路で、やや北方を西から東へ通過したが、中には頭上を通る隊もあって癪にさわる。最後に近い一編隊の落とした弾は、さらさらさらと音を長くひいて東の方に落ち、炸裂するのを耳にした。さらさらさらは、今日初めて耳にした。

あとで北方から黒く焼けた紙らしいものが、はらはらと盛んに落ちて来た。火事の焼屑か、B29の落とした導火線の焼けかすか。