Classici giapponesi con furigana
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かいなんき
海難記
久生 十蘭
Leggi 海難記 (かいなんき) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.628 caratteri · 56 schermate
この夫婦は、海兵の斧の一撃によって拘き合ったまま生命の根を断たれた。
コレアール技師の手記。
「犠牲者はみな瀕死の状態にあったので、彼等の苦痛を何時間か縮めてやったと考えることは、かならずしも不当ではない。のみならず、それによって何人かの人間が生還のチャンスを掴むことができるのである。われわれは一人を殺害するたびに、海の上の地獄から脱れ得る希望が一つ加わったことを、神に感謝した。最後の一人の始末をした後、われわれは筏の上にあるすべての武器を海中に投じ、二度とこういう行為を繰返さぬことを誓った」
最初百四十五名だった筏の乗員は漂流の第八日目に十分の一になった。クゥダン海軍少尉、デュポン陸軍大尉、ルルウ陸軍中尉、ロザージュ陸軍少尉、クレーレ陸軍少尉、サヴィニ軍医補、クゥルタード砲術長、シャルロォ兵曹長、ラヴィエット木工長、フランソア看護卒、ベレエ海軍経理官、トーマ水先案内、コスト水兵、コレアール技師、シャルル黒人輸卒――以上の十五名が残った。
革命は終った。生き残った人員はたがいに宥和し、環境を整備してできるだけ快適な生活をすることにした。木工長のラヴィエットは筏の舳部に張床のようなものをつくり、死体から剥ぎとった衣類を敷きつめてそこに横になった。