Classici giapponesi con furigana
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りんらくのこうじょのおぼえがき
淪落の皇女の覚書
久生 十蘭
Leggi 淪落の皇女の覚書 (りんらくのこうじょのおぼえがき) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.649 caratteri · 56 schermate
父たちが殺されたことはウハにいるとき公報を見て知りましたが、事実、ニコラス・ロマノフとその家族とあるだけで、あたしたちの名などは記載されていませんでした。あたしたちがエカテリネンブルグへ行き、みなと一緒に殺されたというのは、そもそもは誰がいいだしたことなのでしょうか。ジュデリックというひとの記録は私も読みましたが、ソヴエト政府がなぜ取消しをしないのか私にはわかりません。そんなことはどうでもいいほど私たちに無関心になっているのか、そうして置くほうが都合がいいのか、たぶんどちらかなのでしょう。
一九二二年の春、ウハで転出の許可が出たとき、あたしたち三人で相談して、二人は修道院へ入り、一人は死ぬまでアレクシスの世話することにきめましたが、その籤は私にあたりました。巴里には叔父のパウル大公や帝政時代のチノブニク(高官)が大勢住んでいますが、私が巴里へ来たのはそのひとたちの庇護を受けるためではなくて、私が心にきめた贖罪がすこしでも早くすまされる条件のためでしかありません。父や母の死にかたは無惨でしたが、それでロマノフの罪業が終ったとは私には思われません。ロマノフが一人でも生き残っているかぎり、その一人はなにかのかたちで死ぬまで報償しつづけなくてはならないのです。