Classici giapponesi con furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Leggi 渡良瀬川 (わたらせがわ) di 大鹿 卓 (おおしかたく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 280.528 caratteri · 557 schermate
やがて彼等が一同のところへ戻って来て、車廻しの庭石にのぼって、こもごも交渉の顛末を報告した。秘書官の言葉によると、大臣は、今日は公務のために面会は出来ないが、明後日の午前十時を約して必ず面会するということである。就いては、われわれはどうすべきだろうか。そういって今後の進退を一同に計った。
「大臣は公務多忙というが、おれたちは一切の用事を放ったらかして、出て来たのじゃないか」
衆人のなかから誰かがそういい放ったのを皮切りに、さまざまな声が起った。
「それまでここで野宿しろというのか」
「残してきた妻子が餓死する。そんなのんきなことがしていられるか」
「みんな腹が減っているんだ。役所から昼飯を出してもらってくれ」
「このまま帰ったところでどうせ餓死だ。どこで餓死するも同じことだ。大臣に会うまで一足もここを退くな」
総代の者が仕方なくこのことを通じると、秘書官の返答はこうであった。
「午後四時が退庁時間である。それまでは随意にしたらよかろう。だが、その後は断じて構内にいることは許されない。もしその時になっても猶たち去らぬようなら、やむを得ず公力を行使しなければならぬ。