Classici giapponesi con furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Leggi 渡良瀬川 (わたらせがわ) di 大鹿 卓 (おおしかたく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 280.528 caratteri · 557 schermate
それで早くも鉱毒の侵害を知って、新たに井戸を掘り、練糸にも染色にも、いっさい井戸水を汲み上げて使っているのである。そのほか以前は渡良瀬に用水を仰いでいた沿岸の機業家もみな、近年は井戸を掘っている。すでに一昨年の十月、足利、桐生両町の総代から当局に請願書を出して訴えていることである。
一行はさらに吾妻村へ行って雲龍寺の事務所へ立ち寄った。銅分の附着した藁、萎縮麦、枯桑の根、抜け竹等の参考品は、いずれも人々の目を奪わぬものはなかった。ついで舟津川、西谷田、谷中という道順で激甚地の疲弊の有様をつぶさに見てまわり、日頃の正造の言葉に倍する惨状に驚駭の声を発せぬものはなかった。
十四日には、農商務大臣曽禰荒助が被害地を視察し、その惨憺たる実情に歎声をもらして帰った。曽禰は帰京後ただちに西郷内務大臣及び松平次官に面会して、一刻も早く善後策を講ずべきだと迫った。
そうした消息をもれ聴いて、正造は一瞬あかるい顔をした。しかし、この頃の正造の胸中には、さらに一つの深刻な悩みが加わっていた。いうまでもなく、歳費問題に対する責任感の処置に苦しんでいたのである。一日、芝口の宿で左部とただ二人になったとき、立てきった障子の内側で、正造はひそかに心懐の一端を洩らした。