Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

Leggi 渡良瀬川 (わたらせがわ) di 大鹿 卓 (おおしかたく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 280.528 caratteri · 557 schermate

Aozora Bunko

女はまだいくらか廉恥を知り人倫を知っている。それが関東の風俗だ、そこへゆくとあんたたちの伜さんは、正義のために監獄へ入っているのだ。立派なものだ。狡猾に立ちまわった者などと較べものになりはしない」

正造はそういって、憤懣をおさえて説き聴かせたが、そんな場合多く相手はただ気まずそうに黙りこんでしまうのであった。しかし、事実鉱毒運動が地方青年に影響したところは大きかった。彼等の気風、彼等の人間的な進歩は著しいものがあると、正造は確信していた。ことに今度入監中の重なものたちには、深い信頼を抱いていた。彼等のうちには気力が人にすぐれて盛んな者がある。思慮の深いものがある。相当に学識を養い得たものもある。熱心無二のものもある。一日数十里を奔走してなお倦まなかったものもある。貧にいて富者をしのぐ働きをしたものもある。彼等の気魄は光りとなって鉄窓のなかから耀いている。――正造はそう思いつつ、彼等の獄中の起居を思いやった。

だが、それに引きかえて彼等の村はどうであろう。彼等の隣人はどうであろう。

ある日、正造が久野の阿部源二郎を訪ねたときのことである。おり悪しく主人が不在で、老母が縁側で渋茶をすすめながらこんなことを話した。