Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Leggi 渡良瀬川 (わたらせがわ) di 大鹿 卓 (おおしかたく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 280.528 caratteri · 557 schermate
「あの時の仲間に加わった者は、悪いことした覚えのない者まで逃げて村にはおりませんよ。監獄へゆく者があると家の者の入費が大変だ、やれ差入れだ、また弁護士などという者も頼まなければならぬ。大きな声ではいえないが、それより差紙の来ないうちに村を逃げて、どこかで隠れていろ。そのうちにホトボリも冷める。時分を見計って帰ってくれればいい。親たちがそういって逃げることをすすめたのです」
正造はまたしても家庭の悪弊を思わずにはいられなかった。さらに心の裡に思った。天下に道があれば、少くとも人民はその業に安んじることができるはずだ。それが今や、警官を怖れ、朋友を怖れ、社会の見るもの聞くものをみな怖れるようになってしまった。――しばらく話しこんでいるうちに、正造は、老婆もまた彼の宿泊を怖れているらしい様子に気づいた。正造は村々の巡回にでたときは、どこでも行き暮れたさきの有志の家に泊る習慣だった。無論貧富を別たず泊めてくれる家に泊ったから、家人と同様に冷い麦飯も食べれば、汚い蒲団一枚で柏餅になって寝ることもあった。無頓着のようでいて迷惑をかけぬようにと細心に気を配り、衣食のことはすべて簡便をよろこんだ。