Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Leggi 湖畔亭事件 (こはんていじけん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.335 caratteri · 137 schermate
二十五
臆病者の私に、よくあの様な大胆な真似が出来たと、あとになっては不思議に思う程でしたが、その時は、私は一種の功名心で殆ど夢中だったのです。といって、曲者を捉えようなどと、考えた訳ではありません。ただ危険のない程度で、彼に近づいて、その正体を見極める積りでした。
先にもいった通り、湖畔亭の庭を出ると、すぐに森の入口でした。私は大木の幹から幹へと身を隠しながら、恐る恐る、光りの方へ近づいて行きました。
暫く行くと、案の定おぼろに人の姿が見えて来ました。彼は懐中電燈を照しながら、熱心に地上を見廻っているらしく思われます。何かこう、探し物でもしている形です。しかしそれが何者であるか、まだ遠くてよくは分りません。
私は更に勇気をふるって、男の方へ近づいて行きました。幸、樹の幹が重なり合っている為、音さえ立てねば気づかれる心配はないのです。
やがて私は相手の着物の縞柄から、顔形まで、ボンヤリと見える程に、間近く忍びよりました。
二十五
怪しげな男は、老人の様に背をかがめて小さな懐中電燈をたよりに、何を探すのか叢を歩き廻っていました。電燈の位置によって、彼は真っ黒な影法師になったり、白っぽい幽霊に見えたりします。