Classici giapponesi con furigana
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ゆなのたましい
湯女の魂
泉 鏡花
Leggi 湯女の魂 (ゆなのたましい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.936 caratteri · 55 schermate
その場へ踏み込み扶けてくりょうと、いきなり隔の襖を開けて、次の間へ飛込むと、広さも、様子も同じような部屋、また同じような襖がある。引開けると何もなく、やっぱり六畳ばかりの、広さも、様子も、また襖がある。がたりと開ける、何もなくて少しも違わない部屋でありまする。
阿房宮より可恐しく広いやと小宮山は顛倒して、手当り次第に開けた開けた。幾度遣っても笥の皮を剥くに異ならずでありまするから、呆れ果ててと尻餅、茫然四辺をしますると、神農様の画像を掛けた、さっき女が通したのと同じ部屋へ、おやおやおや。また南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と耳に入ると、今度は小宮山も釣込まれて、思わず南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。
その時すらりと襖を開け、
「誰方だい、今お騒ぎなすったのは。」
「へい。」といった、後はもうお念仏になりそうな、小宮山は恐る恐る、女の微笑んでおります顔を見て、どうかこうか、まあ殺されずに済みそうだと、思うばかりでございまする。
「一体物好でこんな所へ入って来たお前さんは、怖いものが見たいのだろう。少々ばかりね。」
「いえ、何。」と口の内。
「まあ、おいでなさい。」
妾に跟いてこっちへと、宣示すがごとく大様に申して、粛然と立って導きますから、詮方なしに跟いて行く。