Classici giapponesi con furigana
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まんかんところどころ
満韓ところどころ
Leggi 満韓ところどころ (まんかんところどころ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.601 caratteri · 148 schermate
よく見ると高い灯台のような恰好である。二百何尺とかと云う話であった。この山の麓を通り越して、旧市街を抜けると、また山路にかかる。その登り口を少し右へ這入った所に、戦利品陳列所がある。佐藤は第一番にそれを見せるつもりで両人を引張って来た。
陳列所は固より山の上の一軒家で、その山には樹と名のつくほどの青いものが一本も茂っていないのだから、はなはだ淋しい。当時の戦争に従事したと云う中尉のA君がただ独り番をしている。この尉官は陳列所に幾十種となく並べてある戦利品について、一々叮嚀に説明の労を取ってくれるのみならず、両人を鶏冠山の上まで連れて行って、草も木もない高い所から、遥の麓を指さしながら、自分の従軍当時の実歴譚をことごとく語って聞かせてくれた人である。始め佐藤から砲台案内を依頼したときには、今日はちと差支えがあるから四時頃までならと云う条件であったが、山の出鼻へ立って洋剣を鞭の代りにして、あちらこちらと方角を教える段になると、肝心の要事はまるでそっちのけにして、満洲の赤い日が、向うの山の頂に、大きくなって近づくまで帰ろうとは云わなかった。もし忘れたんじゃ気の毒だと思って、こっちから注意すると、何ようございます、構いませんと断りながら、ますます講釈をしてくれる。