Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たきぐち

滝口

山本 周五郎

Leggi 滝口 (たきぐち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.815 caratteri · 99 schermate

Aozora Bunko

芳村の話しぶりはこのあたりからたどたどしくなった。それは話の内容を的確に云いあらわすため、言葉を選んでいるというようでもあり、また、話に独り合点な解釈を入れないために、用心しているというふうにも感じられた。

「おりうは決して男には惚れません」と芳村は話を続けた、「――男たちを夢中にはさせるが、自分では決して男に惚れず、男が自分のためにのぼせてきたとみると、手のひらを返すように冷酷になってしまうんです、男を夢中にさせるまでは、思いつく限りの手くだを使いますが、いざというときになると石になってしまうんです、冷たく冰った石のようにです」

珍らしいことではない、そういう性分の女はどこにでもいるものだ。もともと女には、多少の差こそあれそういう本性があるのではないか、と安宅は思った。安宅がそう思うであろうことを予期していたかのように、芳村は唇を歪めて微笑した。

「わかっています、私の話はありふれていて、あなたには興味もなしさぞ退屈でしょう」と芳村は云った、「けれども、あしかけ四年ちかいあいだ、私は自分の眼でそれを見てきたのです、骨の髄までとり憑かれてしまい、家名も、侍の誇りまでも投げ捨ててしまった男が、あしかけ四年ちかくも跟けまわしながら、現実にこの眼で見とどけたことなんです、あなたにとってはありふれた話かもしれない