Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たきぐち

滝口

山本 周五郎

Leggi 滝口 (たきぐち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.815 caratteri · 99 schermate

Aozora Bunko

おりうではないな、自分を云いくるめるように、安宅は心の中で首を振った。芳村という男もそんなおろか者ではないようだし、おりうはなおさら、そんなことのできる性分ではない。まったく違う人間だ、と彼は断言するように思った。

「畠中は滝口っていう言葉を知っているか」

「話の腰を折るじゃないか」畠中は振り向いて安宅を見た、「それがどうした」

「知っているかときいたんだよ」

「滝の落ち口のことをいうんだろう」

「そのとおり」安宅はにっと微笑した、「――珂知川の上流に十三の洲がある、水はその洲にさまたげられて、離れたり合ったりしながら流れている」

「なんの話だ」

「合ったり離れたりして来たその流れが、滝口のところで一つに合し、すさまじい勢いでどうどうとなだれ落ちるんだ」

あの夜「衣笠」の裏手から、狂ったように走りだしていった、おりうのはだしの姿を思いだしながら、なにかをいとおしむように、もう一度やわらかな微笑をうかべた。

「おまえ酔っているのか、益村」

「らしいな」と安宅が云った、「だから杉原の縁談のことなんぞもちだしっこなしだぜ」

畠中は振り向いて睨みつけたが、安宅はぜんぜん気がつかないようであった。