Classici giapponesi con furigana
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みおつくし
澪標・落日の光景
外村 繁
Leggi 澪標・落日の光景 (みおつくし) di 外村 繁 (とのむらしげる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.889 caratteri · 268 schermate
いかにも冬の花らしい、小さな純白の花を開くのも、間もないことであろう。
しかし昨夜のことが、私の頭から寸時も離れない。昨夜、素子はどうやら平塚礼子のことで、私を責めたようである。平塚礼子は素子の旧い友人で、今度、私の娘の縁談を知らせてくれた人である。その礼子を私が軽蔑していると、昨夜も素子は私を難じ続けたように思われる。
そう言えば、以前、礼子が初めて素子の病気を見舞った時、素子は貰い合わせた品物を土産に持たせて帰したことがあった。いかにも手当り次第といった感じで、私は素子に注意を与えたことがある。が、生憎、それがかなり珍重な品であったので、素子は私がそれを惜しんだものと解し、酔った素子に、私が礼子を軽蔑しているという口実を与えたのではないか。
しかしそんなことは凡そ無意味である。問題は、何が、素子に、あんなに酒を求めさせたか。そうしてあのような乱暴な振舞に陥らせたか、にある。ふと、そこに思い至って、私は慄然となる。
人間は誰でも彼奴に見られているのに違いない。ただ多くの人はそれを意識しないだけである。素子ももとより自ら求めて意識しているわけではなかろう。