Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みおつくし

澪標・落日の光景

外村 繁

Leggi 澪標・落日の光景 (みおつくし) di 外村 繁 (とのむらしげる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.889 caratteri · 268 schermate

Aozora Bunko

まだ少女のようなしなやかな脚が、活溌に水を蹴って動く度に、水は飛沫を上げて乱れ騒ぐ。その娘達の後姿を明るい斜陽が照している。石を投げる男達の目的は、娘達をもっと深みへ追いやることにあったらしい。しかし彼女達の快活な行動が、私にそんな興味を抱かせなかった。私はむしろ三人の娘のいる、極めて明るい色彩の風景画を見ているような、清潔な印象を残した。

一学期の試験を終った。私は間に合う汽車で母の許へ帰ることにしている。無性に嬉しく、全く心もここにない思いである。が、そんな時、一人の同級の生徒から一通の手紙を渡される。

「えんしょ(艶書)や」と言って、その同級生は逃げて行ってしまう。私は何事か、了解に苦しむ。急いで寄宿先に帰り、とにかく封筒を開く。差出人は五年生の庭球部の選手で、石鹿公園で会いたいという。が、私はそれどころではない。帰心で、胸が一杯である。

しかし私はその手紙に――或はそんな男と男との関係に――朧げながら罪悪的なものを感じたのは事実である。私はマッチの火でその手紙を焼いた。しかし紙の焼けた残滓は始末の悪いものである。やっと新聞紙にくるみ、湖水に投げ捨てる。