Classici giapponesi con furigana
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はなかみろうにん
濞かみ浪人
吉川 英治
Leggi 濞かみ浪人 (はなかみろうにん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.425 caratteri · 39 schermate
彼の場合
数右衛門が、生れて以来、美しい人――と此の世で意識した女性の、最初のものを、彼はそこに見たのであった。
彼の場合
末娘のお千賀であった。
娘も次男も三男も、みな他家へかたづいてしまい、小山田家には今、後とりの庄左衛門と、末娘のお千賀としか残っていない。
一閑は、腰をさすって、欄干を力に起ちながら、
『ややお千賀じゃないか。なんでこんな所へ? ――』と、眉をひそめた。
『でも……今の織田雄之助様がひどい御血相で、お父上の出先へ行き、一分を立てるのだ、ほんとに怖い捨て言葉を吐いて行らっしゃいましたので、もしも、こんな事がありはしないかと案じましたので』
『じゃあ、わしの留守に、又来おったのか』
『ええ……兄様は、織田様の声を聞くと、居てはまずいと、裏口から出ておしまいになるし』
『それは困ったろう。揚句の果てに、怒ったのか』
『父子して、欺いたのだ、一閑を斬ってしまうと、仰っしゃいました』
『はははは。あんな骨の柔い次男坊に、小山田一閑の首が斬れて堪るものかよ』
『……でも』と、お千賀は暗い川面をのぞきこみながら――
『後で又、どんな事になるでしょう。旗本衆は、徒党を組むから、とても怖いと、よく世間で申しますから』