Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

はなかみろうにん

濞かみ浪人

吉川 英治

Leggi 濞かみ浪人 (はなかみろうにん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.425 caratteri · 39 schermate

Aozora Bunko

厩の悍馬

『数右衛門、出て失せい』

と、門口で云い罵る者がある。追いかけて来た小山田庄左衛門と、その父の一閑なのだ。声高に家の中へ呼ばわりながら、大刀を反らして柄を叩くのだった。

厩の悍馬

喧嘩だという声が御長屋の隅々まですぐ鳴り渡った。藩邸なので、表役人や門側の番士なども駈けつけて来る。

『何の意趣があって、他家へ嫁がせる娘にあらぬ悪罵を浴びせたのみか、娘の部屋へ忍び入ったか。その返答を承まわろう』

『家名に代えても、数右衛門の素ッ首申し受ける。云い条あらば、これへ出て、武士らしゅう云ってみよ』

小山田父子の周りには、何事かと驚いて起きて来た人々が、真っ黒にたかって、宥めたり、理由を訊いたり、かえって怒られたりして、ごった返していた。

どうして又、数右衛門が藩邸を出たか、門番の責任を云い出す者があるし、老臣を迎えに駈ける者があり、屋内へ入って、数右衛門に何か詰問している同僚たちもある。

仄かに夜は白みかけていた。

内匠頭は、早起だった。いつでも、厩に気の荒い愛馬の脚ひびきがし出す頃には、風呂所から上って、祖先の仏間に礼拝しているのが常である。

その間に、夫人は、竹荘と呼んでいる奥殿の離室で、静かに朝茶の釜を炉にかけている。