Classici giapponesi con furigana
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ひのついたかかと
火のついた踵
宮本 百合子
Leggi 火のついた踵 (ひのついたかかと) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.781 caratteri · 34 schermate
みさ子 ――私は、ちっともそんな風には考えなかったわ。私の苦しみは、私の弱点? 私は、ただ、もとから種々なことを話して来た友達に、自分の心持ちを云っただけだのに。――
奥平 つまりそれほど、心の親しみが深いということになるのだ。離れ難く思うからこそ、どんなに境遇が変っても、その友情だけは、保って行こうとする。――(堪え難いように、ばしばしと)私は、はっきり云って置くがね、決してあなたの重荷となる積りはないのだ。私はいつでも、悦んで、あなたに自由を与える。よく考えて、遠慮はいらないから、自分の行きたい道を進めばよい。ああいうこともあった、と私は万事を、過去に埋めてしまおう。それが一番いい。私には――私の書斎がある。……
みさ子 (涙をこぼし)そうよ! 貴方には貴方の書斎がある。だから、そんなことをおっしゃれる。自分が、どんな大間違いをしているか、考えようともなさらないで、よく貴方は、そんなことがおっしゃれるわね。……私には……私には貴方っきりほか、ありはしないわ。何も、ありはしないわ。だからこそ、貴方になんか、相手にもされない苦しみをもするのじゃあないの。