Classici giapponesi con furigana
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かそうこくふうけい
火葬国風景
海野 十三
Leggi 火葬国風景 (かそうこくふうけい) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.334 caratteri · 37 schermate
金魚鉢の中で、火焔だけが競り上りだしたのであった。見る見るうちに火焔の底が現れた。火焔はズンズン騰ってゆく。やがて金魚鉢の頂上のところ一面に焔々と火は燃え上った。焔の下は何だろうとよく見ると、そこには清澄な水が湛えられてあった。
水は硝子のせいでもあろうか、淡い青色に染まっていて、ときどきチチチと歪んでみえた。その歪みの間から、何か赤いものがチロチロと覗いて見えた。
(何だろう、あれは!)
チロチロと揺めく赤いものは、だんだんと沢山に殖えていった。よくよく見ていると、それは小さい金魚の群であることが判った。
(金魚が泳いでいる!)
可愛い金魚が泳いでいるのだ、しかし何という奇怪なことだろう。金魚のすぐ頭の上は水面だったが、そこには呪わしい紅蓮の焔がメラメラと燃え上っているのだった。哀れなる金魚たちは、その焔に忽ち焼かれて、白い腹を水面に浮き上らせるだろうと思って気の毒に眺めていたが、その心配はすっかり無駄に終った。何故なら金魚は焔の下の水中で、嬉々として元気に泳ぎつづけていたからである。
焔が水中の金魚を焼かないとすると、焔は何を焼くだろうかと、急に心配になった。