Classici giapponesi con furigana
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かやくせん
火薬船
海野 十三
Leggi 火薬船 (かやくせん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.552 caratteri · 124 schermate
そのころ雑草園には、荷役に従事した人夫や船員たちが押しかけ、思いがけない深夜の大盤ふるまいに、飲む食うおどる歌うの大さわぎの最中だった。
竹見は、そのさわぎをよそにハルクのねている倉庫の中にとびおりた。
「おい、ハルク。どうだ、容態は?」といったが、竹見は、けげんなかお!
「おや、ハルクがいない。あいつ、動けるような身体じゃないのに、どうしたんだろう?」
桟橋
竹見は、大きな心痛のため、気が遠くなりそうだった。
「このまま放っておいては、たいへんだ。よし、どんなにしても、ハルクをさがしあてないじゃいないぞ」
それから水夫竹見は、気が変になったようになって、重態の恩人ハルクをさがしまわった。
倉庫裏のせまい路地を、彼は鼠のようにかけまわりもした。雑草園の饗宴のどよめきに気がついて、ふるまい酒にさわいでいる仲仕や船員たちの間をかきわけて、ハルクのすがたをさがしもとめてもみた。路傍のねころがっている人をゆりうごかして、たずねてもみた。だが、一切の努力は無駄におわった。
水夫竹見は、がっかりしてしまった。
彼は、疲労の末、魂のぬけた人のようになって、桟橋のうえに佇んだ。