Classici giapponesi con furigana
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かやくせん
火薬船
海野 十三
Leggi 火薬船 (かやくせん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.552 caratteri · 124 schermate
「本船のせきは、日本か中国か」
「もちろん日本でございます」
「日本船なら、なぜ船尾に日章旗を立てないのか」
「おそれ入りますが、これにはいろいろ仔細がございまして……」
と、かの虎船長は一揖して、きっと形をあらため、かたりだしたところによると、
「――この平靖号は、中国から分捕った貨物船でありまして、払下手続をとって手に入れたものであります。この汽船には四十八名の乗組員がおりますが、どれもこれも中国語をよくあやつる。しかしそのうち八名を除いて、のこり四十名はいずれも生粋の日本人でございます。そこに立っております高級船員たちも、どこから見ても中国人ですが、これがみな日本人なんで、商船学校も出た者もおりまするし、予備の海兵も混っております」
虎船長は、そういって後の船員たちを指した。岸隊長は、あらためて高級船員の面をじっと見まわしたが、なるほど、眼の光だけは炯々として、新東亜建設の大精神にもえていることがはっきりと看取される。
「本船の目的は、どこか。また、なぜこんなに、すっかり中国式になっているのか。日本人らしい装飾も什器も、なんにもないではないか」
岸隊長は、疑問のてんをついた。