Classici giapponesi con furigana
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かやくせん
火薬船
海野 十三
Leggi 火薬船 (かやくせん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.552 caratteri · 124 schermate
全力をつくしても、そこには運不運というやつが入ってくる。時に利のないときにも、かならず突破しなければならぬとおし出していくのは、猪武者だ、匹夫の勇だ。すすむを知って、しりぞくを知らないものは、真の勇士ではない」
「じゃあ、船長は、どうしろというのですかい」
若い船員は、虎船長の長談議にしびれを切らして、こえをかけた。
「だから、わしはお前たちに、かんがえなおせというのだ。あんな不利な映画まで撮ったノルマンという船長は、只者ではないぞ。汽船だって、ノールウェー汽船といっているが、そうじゃあない。ここは、こっちの負けだ。こっちに油断があったのだから、仕方がない。負けを負けと承知して、しばらく運とともにながれてみようじゃないか」
「運とながれるって、船長、どうしろというのですか」
「つまり、しばらくノルマンのいいなり放題になっていることさ」
「ううん、癪だなあ」
「そうして様子をうかがっていれば、そのうちに、むこうにきっと、油断ができるにちがいない。そのときこそは、わしが号令をかけるから、そこでみな立って、日東健児の実力をみせてやるのだ。わしの好きな大石良雄はじめ赤穂四十七義士にも、時に利あらずして、雌伏の時代があったではないか」