Classici giapponesi con furigana
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とうみょうのまき
灯明之巻
泉 鏡花
Leggi 灯明之巻 (とうみょうのまき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.444 caratteri · 47 schermate
半ば頃、その祭に呼ばれて親類へ行った。
白山宮の境内、大きな手水鉢のわきで、人ごみの中だったが、山の方から、颯と虫が来て頬へとまった。指のさきで払い落したあとが、むずむずと痒いんだね。
御手洗は清くて冷い、すぐ洗えばだったけれども、神様の助けです。手も清め、口もそそぐ。……あの手をいきなり突込んだらどのくらい人を損ったろう。――たとい殺さないまでもと思うと、今でも身の毛が立つほどだ。ほてって、顔が二つになったほど幅ったく重い。やあ、獅子のような面だ、鬼の面だ、と小児たちに囃されて、泣いたり怒ったり。それでも遊びにほうけていると、清らかな、上品な、お神巫かと思う、色の白い、紅の袴のお嬢さんが、祭の露店に売っている……山葡萄の、黒いほどな紫の実を下すって――お帰んなさい、水で冷すのですよ。
――で、駆戻ると、さきの親類では吃驚して、頭を冷して寝かしたんだがね。客が揃って、おやじ……私の父が来たので、御馳走の膳の並んだ隣へ出て坐った処、そこらを視て、しばらくして、内の小僧は?……と聞くんだね。袖の中の子が分らないほど、面が鬼になっていたんです。おやじの顔色が変ると、私も泣出した。