Classici giapponesi con furigana
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むめいさっかのにっき
無名作家の日記
菊池 寛
Leggi 無名作家の日記 (むめいさっかのにっき) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.441 caratteri · 43 schermate
を激賞したという噂を、新聞で読んだ時、俺はもう「万事休す」だと思った。もう、あいつの声価は決った。あいつが不意に死なない限り、文壇に認められるのは既定の事実だ。俺は、もう仕方がないと諦め始めている。実際、俺の嫉妬を除いて考えれば、あいつが認められるのは至当なことかも知れない。が、至当であるかあるまいかは、問題でない。ただあいつが認められることが不快なんだ。山野が認められたとすると、桑田の順も決して遠くはない。岡本、杉野、川瀬なども皆相当のところへ行くに違いない。「ただ一人取り残される者」それはどう考えても、俺に相違なさそうだ。
俺は、今日短い原稿を今度創刊になる雑誌「群衆」に送った。わずか七枚ばかりの小品だ。俺はこの「群衆」を主幹しているT氏に、たった一度会ったことがあるのだ。俺の小品が採用されたら、山野らに対して少しの反抗はなし得たことになるのだ。
五月三日。
俺は今朝、新聞の広告を見た時、今月の雑誌「△△△△」の小説欄に、山野の小説「廃人」が載っているのを見た時、俺はあっと驚いたまま、しばらくは茫然とした。俺は鉄槌で殴られたような打撃を感じながら、まだ自分の視覚を疑った。