Classici giapponesi con furigana
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むほうもの
無法者
豊島 与志雄
Leggi 無法者 (むほうもの) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.837 caratteri · 24 schermate
」
ちょっと面白く出来すぎてる話だった。志村は他の用事で彼女に葉書を書いたことはあった。温泉の話をしたこともあった。然し、房代夫人の話は、面白く出来てる半面、ただ面白いと聞き捨てるわけにゆかないものを含んでいた。
「あ、おかしなことを思い出しましたわ。あなたはしばらく、野田さんの鎌倉の別荘に行っていらしたことがおありでしょう。あすこに、若いきれいな女中がおりましたわね。その女中さんが、あとで、先生はやさしいよいおかただとほめておりましたそうですよ。そして、よいおかただけれど……と言葉尻を濁すので、よく聞いてみますと、たった一ついやなことがある、と申したそうですの。先生がいつまでもお酒をあがっていらっしゃるので、部屋に引っこんでいると、いきなり部屋の襖をあけて、もう寝たのかいと中をお覗きなさることがあるし、それから、酔っ払って肩をお揉ませなさることがある。それが、とてもいやだった。そう申したそうですよ。」
志村は飛び上りかけて、しいて腰を落着けた。カクテルを一息に飲み干し、煙草に火をつけた。
「それから、まだありますか。なんでも仰言って構いませんよ。」