Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぼんのうひぶんしょ

煩悩秘文書

林 不忘

Leggi 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.705 caratteri · 173 schermate

Aozora Bunko

「商売のほうは、どうかな与助どん。」

が、それよりも与助は、今の佐吉のことばが気になる態で、

「弱気になったとおっしゃって、何か――。」

「うん。おれの高札が立ったよ、煩悩小僧お尋ねの――あは、ははははは。」

旅籠屋の番頭というのは仮りの面で、剛腹無二、剣の鋭い与助は、あの由公とともに佐吉の左右の腕なのだ。

文珠屋佐吉こと、じつは煩悩小僧の口から、自分の高札が立ったと聞いた与助は苦笑しながら、

それでも、あたふたとあたりを見廻して低声になり、

「お声が高い! へへへへへ、そんなことを今さら気にかけるなんて、なるほど、これでみると親分も、よっぽど気が弱くおなんなすった。情ねえ。商売のほうは――とおっしゃるのは?」

「いや、高札などが押っ立って見ると、おいらも盗人は嫌になったよ。これからは、宿屋稼業に力を入れて、と思うのだが。」

「ふうむ、はあてね。」と与助は、ふかく腕を拱いて、「そりゃあ親分、本心でござんすかえ。」

「うむ。まあ、本心と思ってもらいてえ。おいらも、本心と思いてえのだが――。」

「へへへへ、なあに、そう弱っ腰になった理由は、じぶんの高札を見て浅ましい気におなんなすった――というんじゃあござんすめえ。