Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぼんのうひぶんしょ

煩悩秘文書

林 不忘

Leggi 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.705 caratteri · 173 schermate

Aozora Bunko

」

円明流から分派して自流を樹て、江戸下谷は練塀小路に、天心法外流の町道場をひらいている弓削法外、柿いろ無地の小袖に、同じ割羽織を重ね、うなずくたびに、合惣にとりあげた銀髪が、ゆさゆさと揺れる。

法外有法――の語から取って法外と号し、流名もこれからきている。

剃刀を想わせるほそ長い赭顔に、眼の配りが尋常でないのは、さこそと思わせるものがあった。

「そりゃおおいに面白いて。」

そう言って、じろり、大次郎を見やって笑ったが、眼だけは笑いに加わらない。

法外先生の眼は、いつも鋭く凍っていて、かつて笑いというものを知らないのである。

あけ放した二階縁の手すりに、近ぢかと迫って見える三国ヶ嶽のすがた――山気を孕んだ風が、濡れた布のように吹き込んできて、あんどんの灯をあおる。

千浪が、そっと上眼づかいに大次郎を見あげて、

「どういうお話でございましょう。わたくしは、途中から伺いましたので、よくわかりませんけれど――。」

大次郎は、優しい顔に似げなく額部の照りに面擦れを見せて、黒七子紋付きの着流し、鍛え抜いた竹刀のように瘠せた上身を、ぐっと千浪のほうへ向けた。

「弱りましたな。