Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Leggi 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.705 caratteri · 173 schermate
よく気ごころを知り合って、いっそうたがいの思慕を深めたのだった。
そしてまた、法外にとって、この若い二人の睦じい様ほどかれの老いたこころを慰め、ほほえませる絵はないのだ。
こうして、うつくしい健かな千浪と、練塀小路の小鬼、美青年伴大次郎とは、男女の規を越えない潔い許婚の仲をつづけて来ている。
で、今日。
そして、いま。
だしぬけに父に、近く仮祝言でもといわれて、われにもなく頸すじまで真っ赤にしてさしうつ向いた千浪を、大次郎はいつにも増して好もしく、愛しく思いながら、
「じつは、私の身に秘めた大事なのですが――。」
と、口をひらいた。
夏といっても序の口なのに、高山の暦は早い。沈黙が部屋に落ちると、庭に取り入れたうら山々、しんしんと降るような虫の声。
とたんに、
「おう! あれを見さっしゃれ。三国さんの肩に、月が葛籠笠をかぶりおるわい。」
宿の男衆の大声が、階下の土間に湧く。
変なことをいうと思っていると、いあわせた土地の人が、つづいて覗きに出たらしく、
「わ、こりゃなんとしたことじゃい。皆の衆、出て見やれ。三国ヶ嶽のお月さんが、円ういつづら笠をお被りじゃぞえ。