Classici giapponesi con furigana
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Leggi 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.705 caratteri · 173 schermate
そこらをうろうろして、変な間違いでも起されたら、大次郎様に申訳がないじゃあないか。」
「うん、それはそうだ。なに、遠くへは行くめえ。お前、ちょっくら町内を一廻りして、探して来ちゃあくれめえか。
「あいさ、岡っ引の女房だもの、お安い御用だよ、ほほほ。」
怒るだけ怒ってしまうと、きさくなお多喜は呑気に笑って、からころ溝板を鳴らして、路地を出て行った様子。
あとで宗七は、また物思いに耽るのだった。
煩悩を背負って、三つに別れて下山した自分と、大次郎と江上佐助と。
爾来自分は女色煩悩を追って、この江戸の色街で文字どおり恋慕流しの流れの生活を送ったままいまのお多喜と一緒になって、表面は街の夜を賑わす恋慕流しの宗七だが。
またその裏面は、いつからともなくあの八丁堀の与力、川俣伊予之進に見込まれて、十手を預かる御用聞きとなってはいるが。
だが、表裏いずれとも宗七の心を離れないのは、あの田万里を亡ぼした出羽守に対する復讐である。煩悩に対するに煩悩をもってする――という建前から、自分は女色煩悩を漁って来たのだが、それすらをすべて解脱した宗七に、たった一つ残っている煩悩の二字は? それは、いま言った出羽への復讐!