Classici giapponesi con furigana
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Leggi 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.705 caratteri · 173 schermate
そして、このすべては、善も悪も「煩悩」の二字が操るように人を動かして。
「まいるぞ。」
しずかな声で、大次郎が言った。
と、瞬間に、正面の北伝八郎を襲うと見せた大次郎、だっ! 横ざまに足を開いて、右手にいた一人へ片手なぐり――女髪兼安は、がっと聞える異妖なよろこびの叫びを揚げて、肉を咬み、骨を削った。
たら、たらと、女髪を伝わって鍔もとを舐める温かい人血。
「ふふん、こりゃそうとうできる!」
中之郷東馬がそう言ってにやりとすると、大次郎も笑いながら、
「お賞めにあずかって――それでは、次ぎは貴殿へゆこう。」
くるりと、斬尖を東馬へ向けた。
入道雲
もう、伴大次郎は、伴大次郎ではなかった。下谷の小鬼だった。
間もなく――一人ふたりと女髪兼安を喰らって白い花を赤く染めて断末魔の蹂きに草の根を掴む者、痛手を押さえて退き、花のあいだに胡坐を組む者。
大次郎のまわりには、入りかわり立ち代り、新手が剣輪を描いて。じっ――! 静止するかと見る! たちまち前後左右に飛び違える。鉄とあらがねが、絡んで、軋んで、押しあうひびき。掛け声は、出ない。沈黙の力闘なのだ。