Classici giapponesi con furigana
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ばくだんたいへいき
爆弾太平記
夢野 久作
Leggi 爆弾太平記 (ばくだんたいへいき) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.653 caratteri · 98 schermate
「……それが虚構だと云わっしゃるなら、この窓の処へ来て見さっせえ。あの向うに見える絶影島のズット右手に立派な西洋館が建っておりましょう。あの御屋敷は、先生の御親友で釜山一番の乾物問屋の親方さんのお屋敷と思いますが、あの西洋館の地下室に詰まっている乾物の中味をお調べになった事がありますかね」
と来たもんだ。
燈台下暗しにも何にも、吾輩はその親友と前の晩に千芳閣で痛飲したばかりのところだったから、言句も出ずに赤面させられてしまった。
「……お気に障ったら御免なさいですが、林友吉は決してお座なりは申しまっせん。日本内地から爆薬を、一番安く踏み倒おして買うのが、あのお屋敷なんです。アラカタ一本七十五銭平均ぐらいにしか当りますまい。お顔と財産が利いている上に現金払いですから、安全な事はこの上なしですがね。
……爆弾の出先は何といっても九州の炭坑が第一です。一本十銭か十五銭ぐらいで坑夫に売るのですが、その本数を事務所で誤間化して一本三十銭から五十銭で売り出す……ズット以前の取引ですと手頃の柳行李に一パイ詰めた奴を、どこかの横路次で、顔のわからない夕方に出会った鳥打帽子のインバネス同志が右から左に、無言で現金と引き換える……だから揚げられても相手の顔は判然らん判然らんで突張り通したものですが、今ではソンナ苦労はしません