Classici giapponesi con furigana
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ちちのそうしき
父の葬式
葛西 善蔵
Leggi 父の葬式 (ちちのそうしき) di 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5864 caratteri · 12 schermate
「おやじはもうどの辺まで往ったろうか。生きているうち脚に不自由したので、死んでからおおいに駈け廻っているんじゃないかな」
「いや、まだ引導も渡されてないんだから、どこへも往きやしないでしょうよ。お寺で吾々の行くのを待ってるでしょうよ」
「まあそうだろうな。それにしてもなかなかいいおやじだったね。子供らにはずいぶん厄介をかけられ通したが、子供らにはちっともかけていない。死んだ後にだって何一つ面倒なことって残してないし、じつに簡単明瞭な往生じゃないか。僕なんかにはちょっと真似ができそうにないね。考えてみるとおやじ一代の苦労なんてたいへんなものだったろうよ。ただこれで、第一公式なんていうことなしに、ポカポカとすましてこられるんだと申し分ないがなあ……」
「たいていだいじょうぶでしょうよ。ほかに来る人ってもないんだから、このままだってかまやしませんよ。また着るとしても、ほんのお経の間だけでしょう」
「何しろ簡単なもんだな。葬式という奴もこうなるとかえって愛嬌があっていいさ。また死ぬということも、考えてみるとちょっと滑稽な感じのものじゃないか。先の母の死んだ時は、まだ子供の時分だったせいか、ずいぶん怖かったがね、今度のおやじの場合は、ひどくいじらしく不憫な気はされたが、また死ぬということが何となく滑稽なような気もしたね。